茨城大学工学部マテリアル工学科 平成20年度シラバス 戻る

数理統計(3年前期)
Statistical Mathematics単位数:2
担当:鈴木美寿コード:T8223

概要
実験で得られた多くのデータは、確率的変動を伴って観測される。変動するデータから、真の値を推測する際に用いる数学的手法を教えるのが数理統計学である。馴染みの薄い統計の専門用語を多く用いること、数学の中でも独特の考え方を必要とすることから苦手意識を持つ人が多いが、実社会では自然・人文科学の分野を問わず広く応用されている学問である。

●JABEE関連科目:線形代数

キーワード
標準偏差、期待値、二項分布、正規分布、信頼限界、有意性検定、相関係数、回帰分析
到達目標
  1. 数理統計に対する入門として、標準偏差、期待値の計算、二項分布・正規分布、推定・検定、相関・回帰分析までの幅広い内容を学ぶ。
  2. 複雑な公式や定理の証明は割愛し、具体的な演習を行うことにより、類似の問題を解く技能を身に付ける。
  3. 今後、専門的な分野に進み、卒業研究や実社会において多量データを取り扱う際に、より専門的な統計の書物を読むために抵抗感を感じない知識を身に付け、統計に取り組む意欲を向上させる。

●JABEE対応:「数学、自然科学、情報技術」分野100%、JABEE目標:◎C、○G

授業計画
  1. 度数分布表と平均(p.1〜p.17)[ガイダンスを含む]
  2. 度数分布表と標準偏差(p.23〜p.31)
  3. 条件つき確率と乗法定理(p.34〜p.46)
  4. ベイズの定理、順列と組合せ(p.46〜p.57)
  5. 離散型確率分布(超幾何、二項、ポアソン分布)の概要(p.62〜p.89)
  6. 離散型確率分布の期待値(平均)と分散(p.62〜p.89)
  7. 連続型確率分布(正規、一様、指数分布)分布の概要(p.92〜p.104,p.123〜p.128)
  8. 正規分布、結合分布(p.92〜p.116)
  9. 標本抽出と標本分布の特徴(p.140〜p.158,p.253)
  10. 推定と信頼限界(p.161〜p.166,p.253〜p.254)
  11. 有意性検定(p.170〜p.179,p.255〜p.256)
  12. 比率の推定と検定、第1種・第2種の過誤、検出力(p.166〜p.167,p.183〜p.189)
  13. 適合度の検定(p.198〜p.210)
  14. 相関分析と回帰分析の概要(p.212〜p.250)
  15. 期末試験
履修上の注意
毎回、講義の後半に30分程度の時間を設け、その日の講義範囲の教科書の問題から2〜3題を選び小テストを行い、講義終了時に回答用紙を提出。教科書に沿って半年間で講義する。大幅な遅刻(20分以上)でない限り聴講可能。但し、小テスト用紙が無くなる可能性有。教科書及び電卓が必要。特に電卓については無いと時間内に回答不可能。
成績の評価方法
  • 毎回の小テスト(10点/回×14回=140点満)と15週目の期末試験(100点満点)の合計得点を100点満点に変換して成績を評価。小テストと期末試験の評価の比率は1:1。
  • 10週目以降に、各自のそれまでの小テスト得点を提示。
教科書・参考書
教科書:「統計学の基礎」、J.C.ミラー著、村上正康訳、培風館、1900円(税別)

参考書:「統計学入門」、松原望他、東京大学出版会、2800円(税別)

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