茨城大学工学部マテリアル工学科 平成20年度シラバス 戻る

薄膜材料工学(3年後期)
Thin Film Materials単位数:3
担当:鬼沢賢一コード:T8239

概要
本講義で取り扱う薄膜とは、バルク(一般にガラス基板)上に堆積した厚さ数nmから数100nmの金属、無機物、有機物から成る膜状物質を指し、数多くのデバイスやコーティングとして用いられている。本講義では、そうした薄膜の工業的応用、作製技術、組織・構造、評価方法などについて学び、材料技術者としての基礎知識の獲得に資する。

●JABEE関連科目:材料電子物性学

キーワード
薄膜、金属、無機物、有機物、真空、蒸着、薄型ディスプレイ、透明導電膜、スパッタ
到達目標
  1. 薄膜の応用製品として広く知られている薄型ディスプレイ(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなど)の構成、薄膜の役割を理解する。
  2. 薄膜作製に重要な真空技術、蒸着法、スパッタ法、化学気相蒸着(CVD)法などの薄膜作製技術を知り、実際に使用する際の一助とする。
  3. 講義で取り上げる薄膜の組織・構造及び分析手法について理解するとともに他の薄膜を調べる際に容易に取り組めるようにする。

●JABEE対応:D-2.マテリアルのプロセスに関する基本の理解100%、JABEE目標:◎D、○G

授業計画
  1. ガイダンス(薄膜とは何か、作製法、応用例概略)
  2. 薄型ディスプレイにおける薄膜技術1 液晶ディスプレイ
  3. 薄型ディスプレイにおける薄膜技術2 プラズマディスプレイ
  4. 薄型ディスプレイにおける薄膜技術3 有機LEDディスプレイ
  5. 真空技術
  6. 薄膜作製法1 真空蒸着
  7. 薄膜作製法2 プラズマCVD
  8. 薄膜作製法3 スパッタ法
  9. 薄膜作製法4 その他(MBE, PLD他)
  10. 薄膜の構造と特性1 スパッタ法による金属薄膜
  11. 薄膜の構造と特性2 スパッタ法による透明電極
  12. 薄膜の構造と特性3 真空蒸着による化合物薄膜
  13. ホトリソグラフィーとウェットエッチング技術
  14. ドライエッチング技術
  15. 期末試験
履修上の注意
  • 講義内容は、適宜参考書を用いるなどしてよく復習すること。興味ある分野については予習し、わからないところを質問して理解を深めること。
  • 関連科目として「材料電子物性学」を履修することが望ましい。
成績の評価方法
小テスト:講義3回に1回程度実施(配点:50点)、最終試験(配点:50点)
教科書・参考書
教科書は用いず、配布するプリントを用いて講義する

参考書:

  1. 「薄膜作成の基礎 第3版」、麻蒔立男著、日刊工業新聞社(1996)
  2. 透明導電膜の技術 改訂2版」、日本学術振興会第166委員会編、オーム社(2006)

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