茨城大学工学部マテリアル工学科 平成20年度シラバス 戻る

数値計算法(2年後期)
Numerical Analysis単位数:2
担当:小澤哲コード:T8220

概要
計算機で数値計算を行う際に計算誤差がどのようにして発生するかについて、講義と演習によって、体験的に理解する。また、グラフィックスを使った計算機シミュレーションの手法について学習する。計算機シミュレーションは、理論的方法(数学的方法)や実験的方法の弱点を補完する強力な研究手法であることを示す。

●JABEE関連科目:コンピューター概論、数理統計、計算科学、シミュレーション学

キーワード
計算誤差、計算効率、計算機シミュレーション、数値解析、グラフィックス
到達目標
  1. 計算誤差の生成メカニズムをいくつかの具体例を通して体験する。
  2. 計算誤差の混入を押さえるアルゴリズムを開発することが、計算効率を上げることと等価であることを理解する。
  3. 微分方程式を数値的に積分する方法(差分法)について学習し、その応用(計算機シミュレーション、分子動力学)に関する演習を行う。これによって、計算機シミュレーションが実験や理論を補う強力な研究手法であることを理解する。

●JABEE対応:「数学、自然科学、情報技術」分野100%、JABEE目標:◎C、○G

授業計画
  1. ガイダンス(シラバス使用)、UNIX+C+SGL
  2. 計算機シミュレーションの方法
  3. グラフィックス1
  4. グラフィックス2
  5. 近似による誤差(アルゴリズム上の誤差)
  6. 積み重なり誤差
  7. 丸め誤差(打ち切り誤差)
  8. 誤差と計算効率
  9. 差分法(オイラー法とルンゲ・クッタ法)
  10. 振動・波動のシミュレーション
  11. 格子ソリトンのシミュレーション
  12. 格子振動カオスのシミュレーション
  13. 分子動力学シミュレーション(ハードコア系)
  14. 課題に関連する事項の質疑
  15. 課題の総括
履修上の注意
特に予備知識は必要としない。予備知識なしに聴講しても、ついていけるように工夫されている。すべて演習形式の授業を行うので、計算機のキーボードをたたきながら、考えたり、理解することを目指す。すべての資料は授業担当者(小澤)のホームページ(http://www.base.ibaraki.ac.jp/ozawa/)からダウンロードできるので、必要に応じて、参照されたい。
成績の評価方法
必修課題(5題)と自由選択課題(5題)が課される。それぞれについて、レポートを提出する。自由選択課題は、必修課題に比べて高レベルであるので、これを多くこなした者に、良い成績がつくように評価する。出席は参考程度に考慮する。即ち、成績は、レポート100%で評価する。課題は授業時間以外に行っても良い。
教科書・参考書
教科書:
  • 「Unixワークステーションによる計算機シミュレーション入門」、小澤哲、D.W.ヘールマン著、学術図書出版社

参考書:

  1. 「現代の力学」、田附雄一、小澤哲著、学術図書出版社
  2. 「シミュレーション物理学」、D.W.ヘールマン著、小澤哲、篠嶋妥訳、シュプリンガーフェアラーク東京
  3. 「物理ミニマム」、学術図書出版社

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