茨城大学工学部マテリアル工学科 平成20年度シラバス 戻る

材料組織学入門(2年前期)
Introduction to materials microstructure単位数:2
担当:市村稔榎本正人コード:T8210

概要
物質の平衡状態図と速度論を学ぶ。熱平衡、自由エネルギー、熱活性化過程、および拡散について考え、これらの概念が工業材料の内部組織を制御するのにどのように使われるかを理解する。

●JABEE関連科目:材料組織学、マテリアル輸送現象材料プロセス演習固体物性入門計算材料学基礎

キーワード
熱平衡、自由エネルギー、状態図、相平衡、熱活性化過程、拡散、核生成、凝固、コアリング、腐食
到達目標
  1. 熱平衡、自由エネルギー、状態図(相図)とは何かを理解する。
  2. 全率固溶、共晶、包晶など基本的な状態図を理解し、物質の状態変化を予測できる。
  3. 拡散、熱活性化過程を理解し、温度変化を予測できる。
  4. 核生成、成長など相変化の速度論の基礎を理解し、材料のプロセスへの応用を学ぶ。

●JABEE対応:D-1.マテリアルの構造・性質に関する基本の理解100%(構造性質40%、プロセス40%、機能設計20%)、JABEE目標:◎D、○G

授業計画
  1. ガイダンス、力学的、熱的、化学的平衡
  2. 熱、仕事、熱力学第一法則
  3. 熱力学第二法則とエントロピー、自由エネルギー
  4. 格子欠陥の平衡濃度、溶解度
  5. 相平衡、状態図、相律
  6. 全率固溶、共晶系合金の状態図
  7. 包晶系の状態図、複雑な状態図
  8. 中間試験
  9. 反応速度、アレニウスの式
  10. 固体中の拡散、フィックの第一法則
  11. フィックの第二法則、プロセスへの応用
  12. 核発生と成長
  13. 平衡、非平衡凝固
  14. 環境劣化
  15. 期末試験
履修上の注意
前半は榎本、後半は市村が担当する。中間試験、期末試験のそれぞれについて、規定の出席日数に満たないものは受験資格がないので注意すること。
成績の評価方法
中間試験(50%)、期末試験(50%)の2回の試験の合計で成績をつけます。ボーダーラインの人は、出席を考慮します。
教科書・参考書
「材料科学1」、バレット、ニックス、テテルマン著、井形、堂山、岡村訳、培風館、2621円(税込)

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